『後継者争奪訴訟』新聞報道 2019.2.28
実は昨夜アップしたのですが、予約投稿で間違えて昨日の午前になってしまい、新着記事の順序がおかしくなってしまいました。ダイレクトでご覧くださっている方々には新着記事のお知らせが届かないかと思い、タイトルを変えて新たにアップしました。m(*T▽T*)m ごめんなさい。以後気を付けます。
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去る2月28日、サンデージャーナルに、韓氏オモニ、家庭連合との訴訟について、詳しく報道されていました。下記に翻訳したのでご紹介します。
文鮮明 七男 文亨進, 母を相手に骨肉の争い, 訴訟の顛末(てんまつ)
「母は後継者の資格はなく、私が指導者だ」
故 文鮮明総裁により統一教の後継者に指名された七男 文亨進氏が統一教の首長である母・韓鶴子氏を相手に「母は首長の資格がない。私が後継者」と電撃訴訟を提起したことを本紙が取材して確認した。
「母と側近が自分の後継者の座を奪った」という主張だ。文氏は昨年7月末、韓鶴子氏側が商標権侵害訴訟を提起するや、それに対し訴訟を起してカウンターパンチを放ったが、続けて母親の権威を全面否定する直撃弾を飛ばして逆襲を開始したわけだ。
特に商標権侵害訴訟でも文氏側が韓鶴子氏の強力な反発にもかかわらず、先月末、裁判所から韓氏に対するデポジション命令を受け取ったことで、韓氏はなすすべもなく米国に呼ばれ、尋問を受けなければならない状況に処した。
韓鶴子氏の側近らは文氏に、韓氏の生存期間だけ沈黙してくれれば、逝去後の後継者の座を保証すると提案したが、文氏はこれを拒否したことが分かった。
統一教の覇権(はけん / 地位あるいは権力を掌握すること)を巡って展開されている母と息子間の熾烈な骨肉の争いである訴訟の顛末を探ってみた。
半自動小銃を持って合同結婚式を挙行することで世界的な物議を引き起こした統一教の創始者 故 文鮮明総裁の七男 文亨進氏。
文氏は去る2010年 文総裁によって統一教の後継者に指名されたが、2012年9月 文総裁逝去直後、母・韓鶴子氏が事実上、統一教の首長になり、文氏は米国に追いやられ、さらに米国総会長の座まで剥奪された。
臥薪嘗胆(がしんしょうたん )した文亨進氏が今度は自分の母・韓鶴子氏を相手に刀を抜いた。「母は統一教の後継者の資格がない」と権威を全面否定する直撃弾を飛ばしたのだ。
私は後継者「私を解任したことは無効」
文氏は去る2月22日、ニューヨーク南部連邦裁判所に韓鶴子氏、世界基督教統一神霊協会、世界平和統一家庭連合、金孝律(キム・ヒョヨル)、梁昌植(ヤン・チャンシク)、金ギフン、そして外国人幹部4人を相手に訴訟を提起したことが確認された。
原告は文亨進 個人1人であり、文氏の教会などは含まれていなかった。文氏は母親である韓鶴子氏の名前を被告リストの1番に挙げ、母との統一教後継者争奪戦に突入したのだ。
世界基督教統一神霊協会と世界平和統一家庭連合は統一教会の核心的な2つの団体であり、韓鶴子氏と残り8人の個人は、この団体の理事を務めていると文氏は主張した。文氏がニューヨーク南部連邦裁判所に訴訟を提起したのは、裁判所の管轄地域内に統一教米国本社があり、文鮮明総裁と韓鶴子氏の住居もまたニューヨークにあるからだと明かした。
文氏は訴訟状で「統一教の唯一の指導者である文鮮明総裁が2009年、私を後継者に指名し、2010年には文書でこれを宣布した。その後、統一教後継者の役割を遂行したが、去る2012年9月3日、父の逝去後、母である韓鶴子氏が一部側近らと共に統一教を掌握し、私を後継者の座から追いやった。私だけが唯一の統一教の指導者であり、韓鶴子氏は何の資格もない」とし、連邦裁判所が「文亨進が統一教の後継者であり、唯一の指導者であることを認定してほしい」と要請した。
特に文氏は「韓鶴子氏と世界平和統一家庭連合が2009年、私を家庭連合のエージェントとして指名し、文鮮明総裁が2010年6月5日、文書でこれを承認した。したがって、何の権限もない韓鶴子氏が私を解任したことは無効」と主張した。
文氏は韓氏のほか、4人の韓国人と4人の外国人など、統一教で主導的役割をする幹部らがあらゆる不正を犯して巨大な賃金と補償給付を受けることによって統一教に害を及ぼしたとし、彼らに組織的腐敗容疑[RICO]を犯したと主張した。
彼らが電信換詐欺、マネーロンダリングなど、米国の金融機関を脅かす様々な犯罪行為をしたというのが、七男 文亨進氏の主張だ。
裁判所の判決を通して指導者であることの認定を受けようという意図
文氏は訴訟状で「私は2012年9月16日、米国に追いやられ、2013年2月23日、米国総会長職から追われたのち、2013年7月10日、米国総会理事からも強圧的に辞退させられた。」と主張、自身が母である韓鶴子氏から大きな被害を受けたと強調した。文氏は、自身が2015年1月から韓鶴子氏の側近らの不正を暴露しようとすると、彼らが自身を懐柔したと主張した。
韓氏の側近らが「韓鶴子氏が死ぬまで沈黙を守ってほしい。韓鶴子氏が死んだら、全ての権利を回復させてやろう」と提案したというものだ。
文氏はこの提案を受け入れずに暴露を止めなかったため、結局、2015年2月26日、世界平和統一家庭連合 理事からも追われた」と主張した。文氏は、34ページに及ぶ長文の訴訟状で裁判所に彼らの10余の容疑について判断を要求したが、最も重要なことは、裁判所が「文亨進だけが統一教の唯一の後継者であり、指導者」という事実を認定受けたいというものだ。
また、韓鶴子氏の力の源泉となっている天一国憲法を無効にすることだ。文氏は、「天一国憲法は統一教指導者である文亨進が承認していないので、法的に無効」であることを裁判所が認定してくれることを要請した。文氏は、韓鶴子氏と側近らの統一教の財産権の侵害、自身に対する誹謗なども訴訟の理由にあげたが、最も重要なことは米国の裁判所を介して、自身が統一教の指導者であることを認定されることである。
もし、このような判決が下された場合、韓鶴子氏は統一教会の首長の座から退くことはもちろん、実質的にすべてを失うことになるため、今回の裁判は双方が命をかけた総力戦を展開するものと思われる。非常にじれったい法廷争いが予想され、想像できないほどの膨大な弁護士費用の支出が火を見るより明らかだ。
特にこの訴訟で文氏は韓氏が、米国永住権者であると主張した。
既に本紙はFBI秘密文書などを通じて文鮮明総裁が1970年代に米国永住権を取得したと報道した。文氏の訴訟状が本紙報道の正確性を再度証明したものである。
文氏は訴訟状で、韓氏が韓国国籍者として京畿道加平郡雪岳面ミサリ路324-275番地に居住しているが、米国ニューヨークアーヴィングトンの50イーストサニーサイドレーンに定期的に居住したと主張した。
1972年から文鮮明総裁が逝去した2012年まで、事実上、ニューヨークに居住し、米国永住権を持っており、去る2018年11月にニューヨークで統一教の集会を主導したと明かした。文氏が韓氏の米国内住所として提示した所は、ニューヨークのテリータウンで統一教でイーストガーデンと呼ばれる所である。
韓氏がニューヨークに居住し、ニューヨークで自身に向けて敵対的、不法行為をするため、ニューヨーク州南部連邦裁判所に裁判管轄権があるというものだ。
昨年の韓鶴子の先制攻撃、こぶを取ろうとして、こぶを付けた形
文氏は母親が掌握した統一教から訴訟を受けはしたが、直接に母親を相手に先に訴訟を提起したのは今回が初めてだ。すなわち、守勢的立場から攻勢の立場に転換したものである。このように文氏が電撃的に母を相手に訴訟を提起したのは、昨年、統一教が文氏を相手に提起した商標権侵害訴訟と無関係ではないと分析される。
▲文亨進氏は去る2月22日、韓鶴子女史と統一教の主要幹部らを相手に民事訴訟を提起し、自身が統一教の唯一の後継者であることを認定するよう要求した
昨年7月30日、統一教が文氏と文氏の教会を相手に統一教「12門」ロゴを盗用したとペンシルバニア中部連邦裁判所に商標権侵害訴訟を提起すると、文氏は昨年9月26日、統一教側がとんでもない難癖をつけていると反訴した。
このように、双方の主張が真っ向から対抗すると、連邦裁判所は、ディスカバリー命令を下した。ディスカバリーとは民事訴訟の当事者が自分の主張を立証するために、互いに相手を直接調査する手続きである。商標権侵害訴訟は、韓鶴子氏側が先に提起したが、まさにこのディスカバリー手続きが進むにつれて、文氏が勝機を掴むようになり、このような自信感をもとに文氏が母親を相手に電撃訴訟を提起したものと分析される。
商標権侵害訴訟で統一教側が最も恐れているのは、現在、事実上の統一教首長の役割をする韓鶴子氏に対するデポジションだ。デポジションはディスカバリー手続きの一つで、両者の弁護士がそれぞれこの事件に関連した相手の人物はもちろん、第三者に直接審問する手続きだ。
文氏が韓鶴子氏に対するデポジションを要求することにより状況が逆転したのだ。文氏が統一教側のアキレス腱に食い下がったものである。韓鶴子氏側は統一教の名前で訴訟を提起したので、韓氏がデポジション対象になる恐れはないと判断したが、裁判所は文氏の手を上げたのだ。
当初、裁判所は4月30日までにデポジションをすべて終えよと命令した。これにより、文氏側は韓鶴子氏に対するデポジションを粘り強く要求したが、韓氏側はこれを受け入れなかった。韓氏側は「この訴訟の原告は統一教であるので韓氏は関係ない。韓氏は統一教のマネージャーでも、ディレクターでも、オフィサーでもなく、統一教の精神的指導者であるため、デポジションの対象になりえない」と主張した。
統一教で神的な存在として崇められる韓氏がデポジションでも受ける日が来れば、権威に大きな傷になるので必死にデポジション阻止に乗り出したのだ。統一教側は文氏側がビデオ・デポジションを実施、この動画を公開するかもしれないと主張した。
実際、ビデオ・デポジションはデポジション速記録とは別で生々しい肉声が入った動画のため、波及効果がとてつもなく、刑事問題につながる場合もしばしば発生し、弱点が多いほど、ビデオ・ポジションを避けようとする傾向が強い。
韓鶴子, 「デポジションだけはダメだ」必死で阻止
一方、文氏は「韓氏が統一教のマネージング・エージェントであるため、訴訟当事者」と主張し、執拗に母・韓氏に対するデポジションを要求した。
文氏側は統一教側が韓氏に対するデポジション要求を受け入れないため、昨年12月18日韓鶴子氏に対するデポジション命令を下してくれと連邦裁判所に要請した。これにより、裁判所は、去る1月17日に双方の弁護士と会議を持ち、韓氏のデポジション可否について検討し、文氏側の要求を電撃的に受け入れた。統一教側の足の甲に火がついたのだ。
▲統一教が文鮮明師の七男 文亨進が率いる教会を相手に提起した商標権侵害訴訟と関連して、去る1月17日、連邦裁判所が韓鶴氏を相手にデポジションを実施するよう命令したことが確認された。
連邦裁判所裁判所は1月18日「連邦民事訴訟法第26条及び第30条に基づき、韓鶴子氏に対するデポジションを命令する。韓氏に対するデポジションは、ニューヨークの原告側、すなわち、統一教側の弁護士のオフィスで実施せよ。双方は、すぐににデポジション日程を協議し、デポジションを指示せよ」と命令したものだ。
韓氏側の立場では、青天の霹靂のようなニュースだった。たとえデポジション場所が自分の弁護士事務所だとしても、デポジションは大きな打撃である。いわゆる統一教で「至尊」として奉じている韓鶴子氏が米国裁判所の命令に従って、息子側の弁護士に尋問を受けるということは想像もできないことだ。
息子が勝機を掴んだも同然だ。連邦裁判所がこのような命令を下すと、文氏側は素早くデポジションをしようと要求するのに対し、韓氏側はデポジションを阻止または延期させるために必死になっている。
文氏側は連邦裁判所の命令が下った四日後の1月22日、韓氏側にデポジション日付を通知してくれと要求し、1月30日にも韓氏側の弁護士に電話を介してデポジションの可能な日を教えてくれと要請したが、韓氏側は「次の週に日付を教える」と答えた。
文氏側は2月2日と6日にもデポジションの日付を要求したが、回答を貰えず、2月7日、韓氏側の弁護士は、「韓鶴子のデポジションはディスカバリーの最後に可能である」と、正確な日付を伝えなかった。これにより、文氏側は2月8日、裁判所に韓鶴子デポジション日付を裁判所が強制的に指定してくれと要求した。
文氏側はこの要請で「原告側が韓鶴子に対するデポジションを4月30日ディスカバリー締め切りまで先送りてほしいと要求が、これは1月18日、連邦裁判所の命令に違反したものである。連邦裁判所の命令にもかかわらず、韓氏側が協力せず、あらゆる方法を動員して延期しようとしている。
したがって、連邦裁判所が「韓氏がニューヨークで最低2日連続、デポジションを受け、3時間ずつ、最低3回の尋問ができるようにしてくれ。3月11日から始まる週か、3月18日から始まる週、4月15日から始まる週など、3つのスケジュールの中で一日をデポジション日として決めてほしい」と要求した。
ディスカバリー完了日まで2ヶ月ほど残りっている点を考慮すると、連邦裁判所は遅くとも来週には結論を下すものと見られる。韓鶴子氏が息子のデポジションを受けるか否かの分かれ道に置かれたものである。まさにこのような絶体絶命の瞬間に息子がニューヨーク州南部連邦裁判所に「自分が統一教の後継者」であることを認定してくれという訴訟を提起したのである。
韓鶴子、統一教 掌握7年ぶりに最大危機に直面
韓鶴子氏がもしデポジションを避けようとすれば、商標権侵害訴訟を放棄するしかない。この場合、商標権侵害訴訟で敗訴したり、少なくとも文氏側と合意して訴訟を終結しなければならない。
しかし、文氏が容易に合意してくれないのは自明である。商標権侵害訴訟は大きな訴訟ではないように見えるが、統一教の後継者が、自分たちが異端として追いやった息子に負けた場合、韓氏の権威が一朝にして崩れるかもしれない。
また、文氏が素早くニューヨーク州南部連邦裁判所に訴訟を提起したのも韓氏側が商標権侵害訴訟と関連し合意を要求すると、南部裁判所の訴訟、すなわち、後継者認定要請の訴訟でも譲歩を要求するためのものと見られる。
韓氏が、このような合意を避けるためには、息子のデポジションを受ける方法しかない。
下手に訴訟を提起してひどい目に合う危機に瀕しているのだ。文氏もデポジションを受けるが、持っているものが多い韓氏側が不利になるしかない。韓氏が統一教を掌握してから7年ぶりに権威に大きな傷を受ける危機に直面したわけだ。